秋を迎える頃になると、気温や水温の低下による影響はもちろん、各種の水生昆虫の羽化や陸生昆虫の流下にうながされてか、ふたたびライズフィッシングが楽しい季節に。タックルは、使うフライサイズと種類、飛距離、ねらうマスの大きさに合ったものを用意する。ティペットはフライサイズに合ったものを万全に準備したい。

　流下するナチュラルのサイズは総じて小さく、ニジマスはおおむねスレているので持てる技術を総動員する”面辛い”釣り。時には大量の落ち葉が川に流れて釣りにならない日もあれば、冷たい雨でマスが沈んでしまう日もある。秋の高気圧につきものの強風に悩まされる日も少なくない。場所によってはヒグマともよく遭遇する。そんなすべてを承知でねらうのは、ピッカピカの秋のニジマスです。

　紅葉していた樹木の落葉も終わり、ライズの釣りがひと段落する晩秋から冬を迎える頃は、川のニジマス釣りが楽しいひととき。

　魅力は年間でもっとも素晴らしい魚体のコンディションのよさと、その”引き”。スリックなグライドなどでは、まれに静かなライズに遭遇することもある。セットフックした後に想像を越える力と速さで数十ヤード走られてラインブレイクなんてことも少なくない。

　晩秋は大型混じりの数釣り。本格的に冬を迎える頃には小型のニジマスは影をひそめ、釣れるのは中型〜大型だけになってくる。ガイドの凍結対策アクセサリー「Stanley's Ice Off Paste（Loon Outdoors社）」の持参をお忘れなく。防寒について不安があれば事前にご相談ください。

　初冬を迎える頃になったら本流にアメマスを釣りに行く。十勝のフライフィッシングの、１年の釣り納めといえるこの釣りこそ、ひょっとすると、もっともこの土地ならではの釣りの一つかもしれない。

　タックルは、バックキャスト・ルームがある場所ならシングルハンドでもいいし、背後にスペースがとりづらい場所ではツーハンド・ロッドと各種スペイラインのセットアップが現実的だ。

　時には吹雪の中の釣りになりガイドが凍ることもあれば強風に悩まされることもあるので防寒対策は念入りに。ガイドの氷結対策には、効果はそこそこだが「Stanley's Ice Off Paste（Loon Outdoors社）」などがあるといい。秋の本流アメマス釣りは、例年川が結氷するまでのお楽しみです。