晩春から初夏、阿寒湖の釣り

 例年5月に解禁する阿寒湖は、ごぞんじ黄金色に輝くアメマスはもちろん、ニジマス、ヒメマス、イトウなどが生息する道東の一大フィールド。晩春から始まるユスリカのハッチにからんだ釣りを皮切りに、ワカサギのドライフライやストリーマーの釣り、エゾハルゼミやモンカゲロウ、陸生昆虫のドライフライの釣りが楽しい。天候によってめまぐるしく変化するスポット選びと効果的な釣り方についてはガイドにお任せあれ。十勝エリアからは車で約2時間。周辺の川の釣りと合わせて道東きってのスティルウオーターの釣りを楽しむのはよいアイディアだ。阿寒湖温泉の宿などにガイドと連泊しながら、阿寒を拠点にしたガイドフィッシングも人気です。帯広市内に宿泊して通う際の往復のガソリン代や有料道路使用料、移動時間まで節約できます。釧路空港へのシャトルサービスも可能。弊社のボートなど各種ウオータークラフトもご利用いただけます。詳しくはお問い合わせください。(2023年3月加筆・修正)

阿寒湖の代名詞といえばこれ。黄金色に輝くアメマス。光線のかげんでは鮮やかな黄色に見える個体もいる。
阿寒湖の代名詞といえばこれ。黄金色に輝くアメマス。光線のかげんでは鮮やかな黄色に見える個体もいる。
盛期はたいへんなにぎわいようでプレッシャーも高い。キャスティングの巧拙を問われる場面でも。
盛期はたいへんなにぎわいようでプレッシャーも高い。キャスティングの巧拙を問われる場面でも。
アメマスは大きくなってもどこかひょうきんに映る魚。下顎をとらえているフライパターンはCone。
アメマスは大きくなってもどこかひょうきんに映る魚。下顎をとらえているフライパターンはCone。
故ゲーリー・ラフォンテーンの銘パターン、コーンConeをモンカゲロウふうにアレンジした1本。たくさんのマスにかじられまくって満身創痍だ。モンカゲロウの羽化期、フライボックスから欠かせない実績ある1本。
故ゲーリー・ラフォンテーンの銘パターン、コーンConeをモンカゲロウふうにアレンジした1本。たくさんのマスにかじられまくって満身創痍だ。モンカゲロウの羽化期、フライボックスから欠かせない実績ある1本。
視界の右手でライズしていたマスが正面に近づいてきて……パクン! 自分の浮かべていたフライを疑いもなく飲み込んだ。最高に幸せなひととき。
視界の右手でライズしていたマスが正面に近づいてきて……パクン! 自分の浮かべていたフライを疑いもなく飲み込んだ。最高に幸せなひととき。
シングルハンドなら6番160グレイン以上のラインがよい。プレゼンテーションのあり方がすべて。
シングルハンドなら6番160グレイン以上のラインがよい。プレゼンテーションのあり方がすべて。
羽化したてのモンカゲロウのダン。2011年6月30日19時。阿寒湖にて。
羽化したてのモンカゲロウのダン。2011年6月30日19時。阿寒湖にて。
湖岸で見つけた体長10mmになる大型のユスリカ。こちらもマスの捕食対象。
湖岸で見つけた体長10mmになる大型のユスリカ。こちらもマスの捕食対象。

ユスリカ、モンカゲロウ、陸生昆虫など、

晩春から初夏までの釣りについて。

 

 阿寒湖の解禁は例年5月1日。解禁からしばらくのあいだは水温も低く、例外はあれどスタティックな釣りが中心。広範囲を、適切なコラムとスピードで釣ることでマスと遭遇する確率を上げていく。使うフライのサイズや状況にもよるが、シングルハンド・ロッドなら5〜8番の9フィート半〜10フィートが必携。使うのはフローティングから各種シンキングラインまで(釣り方による)。初期は天候が崩れると寒気がなだれ込んで雪になることも少なくない。防寒対策はしっかりと。近年は初期からワカサギを模したフライへの反応があることも。

 ユスリカの羽化が確認できる頃になると、湖面にマスたちのライズが見られるようになる。ナチュラルのサイズは極小のものから体長10mmほどの大型のものまで。サイズや色、浮き方、沈み方の異なるフライを用意する。タックルは前出の解禁初期の頃と同じ。自重の軽量化が進んだ昨今、ロッドのレングスはシングルハンドでも9フィート半以上の長いものが定石。ツーハンド・ロッドならスイッチロッドもよいだろう。

 初夏を迎える頃にはモンカゲロウの羽化が始まる。運がよければ、水面に浮いた白い花のように湖を漂うモンカゲロウに大型のマスがライズする場面に遭遇できる。羽化の量が安定してくると、午後遅くには湖岸周辺の木立ちでスピナーのスウォーミングを確認できるようになる。夕暮れに羽化するダン、交尾を終え産卵のために着水するスピナーそれぞれにライズするマスに出会うことも。気温が上がり始めると、日中は各種の陸生昆虫に執拗にライズするマスをねらう時もあるから、各サイズのテレストリアルパターンの用意も欠かせない。場所によってはエゾハルゼミへの反応も悪くない。

 セミやワカサギなどの大型フライを投げたり、荒天の強風時までを考りょすれば、シングルハンド・ロッドのタックルは体力やスキルに合わせて高い番手まで用意したほうがよい。また、ユスリカやモンカゲロウのライズの釣りの時期も、ストリーマーやニンフ、ウエットフライなど各種のフライはもちろん、シンキングラインなどさまざまなラインを用意しておくとよい。なお、バンクフィッシングではラインバスケットおよびライントレーのような、ラインマネージメントのためのギアが欠かせない。準備しておきたい。

 阿寒湖ではボートの釣りも楽しい。船外機やトローリングモーターがついたウオータークラフトは機動力があって自由度がたかく、週末や連休などハイシーズンの混雑時でもプレッシャーが低い好みの場所を釣ることができる。ライズのあるワンドに船を止めてドライフライをキャストするのもいいし、魚探をチェックしながら操船するガイドのボートで実績のある岸沿いを移動し、テンポよくフライを浮かべていくのもいい。アンカリングしての釣りはもちろんドリフトしながらの釣りも楽しめるし、移動時にはハーリングやトロールを楽しむこともできる。連休時や週末を釣るならよいアイディアだ。ガイドフィッシング時に風など天候の条件に恵まれてボートを出せる日に当たったら、迷わずボートフィッシングを楽しむのがよい。千載一遇のチャンスです。

 弊社ボートの釣りについてはこちら>

 阿寒湖および阿寒川のキャッチ&リリース区間など阿寒湖漁協管轄地域の水域での釣りは、ガイドフィー以外に別途遊漁料金が発生します。持ち込みボートの利用料金も同様です。詳細はフィッングランド阿寒のウェブサイトをご覧ください。(2022年3月加筆・修正)


 

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電話によるガイドのご予約・ご相談は0155-68-3016まで。

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湖がスローな時はこちら。

キャッチ&リリース区間のニジマス釣りも。

 

 阿寒湖と一緒に楽しめるのが、阿寒湖より流れ出す阿寒川。周囲の森は原始の趣があって素晴らしく、誰もが思う北海道らしい自然の中で釣りを楽しむことができる。なかでも阿寒川漁協の漁場であるキャッチ&リリース区間は魚の密度も濃いから北海道の釣りが初めてという向きにもいい。時に、驚くほど素晴らしいコンディションのニジマスと出会うことも。

 平均して見ためいじょうに”押し”の強い流ればかりだからウエーディング時には留意が必要だ。同エリアの遊魚券は川・湖ともに共通なので、湖が不調の際はこの区間で遊ぶのも楽しい。ストックは大型が多いので、ロッドは相対的なパワーで4番〜。レングスは9フィート以上が基準。ライズがあればドライフライの釣り、なければニンフやウエットフライの釣りが楽しい。

 阿寒湖および阿寒川のキャッチ&リリース区間など阿寒湖漁協管轄地域の水域での釣りは、ガイドフィー以外に別途遊漁料金が発生します。ご了承くださいませ。

流域はヒグマなど野生生物の生息エリア。アプローチのトレイルは丈のあるクマザサが生い茂っているところも。
流域はヒグマなど野生生物の生息エリア。アプローチのトレイルは丈のあるクマザサが生い茂っているところも。
流域は過去ヒグマが出没している場所もある。熊鈴や撃退スプレーなど装備は万全に、セーフティで愉快な釣りを。
流域は過去ヒグマが出没している場所もある。熊鈴や撃退スプレーなど装備は万全に、セーフティで愉快な釣りを。
阿寒川といえば、特筆すべきはなんといってもそのロケーション。イタヤカエデやダケカンバなどが森を彩り川辺の石は苔むしていて、水源としての原始の森のおもむきを今に伝えている。流れに立てるだけで幸せになれるような。
阿寒川といえば、特筆すべきはなんといってもそのロケーション。イタヤカエデやダケカンバなどが森を彩り川辺の石は苔むしていて、水源としての原始の森のおもむきを今に伝えている。流れに立てるだけで幸せになれるような。
阿寒川の釣りに欠かせないのがコロラドの先達・御大チャック・ファザギルが広めたアウトリガー・ニンフィングのメソッド。底にへばりついている大ものには効果てきめん。昨今はもっぱらユーロニンフになりましたが、タックルの選択がキー。
阿寒川の釣りに欠かせないのがコロラドの先達・御大チャック・ファザギルが広めたアウトリガー・ニンフィングのメソッド。底にへばりついている大ものには効果てきめん。昨今はもっぱらユーロニンフになりましたが、タックルの選択がキー。

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