FF先進国のフライフィッシングに欠かせない道具の一つといえば、各種のウオータークラフト。欧州全域、カナダ、オセアニアでは湖やリザーバーなどスティルウオーターのボートフィッシングが人気だし、お隣米国では川でもボートの利便性を活かした釣りがさかんだ。川を下りながらボートの上からストリーマーの釣りをしてみたり、カーブを曲がるたびに現れる景色を眺めながらお弁当を食べたり、遠くの浅瀬にライズを見つけてはボートを岸につけてウエーディングでねらったり。そんなふうにより気軽に、多面的におもしろおかしくボートフィッシングの1日を楽しんでいる。
スティルウオーターのボートフィッシングには自由がある。何よりバンクフィッシングではねらえない場所を釣ることができる。たとえば、陸から徒歩でアクセスできない場所をねらったり、岸からは近づくことすらできない切り立った崖下のポイントをねらうこともできる。状況に応じて臨機応変に、大胆に釣り場を変えることができるから、小さな湖なら1日の中で有効なスポットの多くを釣ることができる。さらには好みの場所で上陸して釣るなど、ウオータークラフトの釣りはまさに自由自在だ。アングラーで混雑するハイシーズンの週末でも、プレッシャーに悩まされることは少ない。
ライズするマスを驚かさないようボートを近づけたり、走錨しないようにアンカーをうつなど、操船は想像いじょうにコツや経験が必要だけど、そこはガイド任せでいい。のんびりしたい時は、ハーリングやトローリングもできる。キャスティングの釣りでは、欧州のロッホスタイルの釣りよろしくボートをドリフトさせながら楽しむのもいい。季節や状況しだいでは適宜アンリングして特定の場所を釣ることもできる。素晴らしい1尾が釣れたらボートを岸につけて写真を撮ってもいい(ポロシリのボートには”イケス”がある)。岸からのウエーディングの釣りもいいけれど、ボート釣りは効果的でとびきり愉快な遊び。足腰に自信のないシニアにもぴったりです。自信をもっておすすめいたします。
川のボート釣りのよいところは、岸伝いにはなかなか近づけない場所に行けること。ボートで川を下りながら、いかにも大型のマスがついていそうな流れではボートをアンカリングし、ボートを降りてロッドを振る。歩く距離も最低限になるから、脚力に自信のない方にも悪くない手段だと思う。十勝では、水量が安定期に入った時の本流域がドリフトの釣りを楽しめるフィールドになる。
ボートの釣りの際はPFDを着用いただいております。なお、水辺でのボートの積み降ろしなどランチングの際はお手伝いをいただくことがあります。あらかじめご了承ください。
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フロートチューブやポンツーンの釣りはいい。第一にその機動力と手軽さが魅力だ。軽さによる恩恵ときたらフィールドでははかり知れないほど。
脚につけたフィンで操船することに慣れてしまえばキャスティングは自由自在。各種アンカーを使えばシンキングラインの釣りも楽しめるし移動時にはハーリングもできる。安全性は高く、一度乗ってしまえば転覆させようと思っても自分ではひっくり返すことができないほど。船体が小さく動力は脚力だけだから発生するウエイク(波)は最小限。岸づたいに行くことができないような場所でライズしているマスに静かに近づくのに、これらのスモールクラフトに勝る道具ってあるのだろうか。何より電源や化石燃料要らず。フライフィッシングらしくてエコロジカルで……カッコいい!
これは釣り人のための水に浮かぶカウチcouchだ。誕生は1940年代後期のアメリカ。ごぞんじアイダホの銘川シルバークリークなどでは、例年季節になるとフロートチューブで川下りしながらライズを釣るのに病膏肓のファンがたくさん集っている。理由はサイコーに面白いからにほかならない。ポロシリが使用している艇なら水中に入るのは膝下だけ。何より身体の冷えも最小限。北海道では、冬期を除く3シーズンをめいっぱい楽しむことができる。初めての方でも操船のレクチャー付きだから安心です。
フロートチューブに釣り道具やお弁当を詰め込んで、マス釣りに行きませんか? 楽しさ太鼓判の遊び方です。
食わず嫌いはもったい!
スティルウオーターのスモールクラフトの釣り。
「フライフィッシングはやっぱり川だよ……湖でボートなんてさあ……」。国内の多くのフライアングラーを見る限り、スティルウオーターの釣りに諸手を上げて賛成する人は少数派かも。でも食わず嫌いはもったいない! 独自のコンパウンドテーパーによって不世出の天才といわれるミシガンのバンブーロッド・ビルダー、ポール・ヤングが湖のボートの釣りが大好きだったこと、それらの経験が数多くの銘竿誕生の原動力だったことをご存じだろうか。底なしの潜在力=味わい方自由自在の魅力がスティルウオーターの釣りやウオータークラフトの釣りにはある。ぜひ一度楽しんでみてほしい。スティルウオーターの釣りは興味ぶかい。湖底の地形変化はもちろん、気温や水温、方角や風、潮目、水温躍層などをきちんと把握すればシーズナルなパターンが透けて見えてくる。そして、具体的なデータがとれたら確実に次回の釣りに活かすことができます。さらに! モダン・ボートフィッシングにおける魚探の有効性が今一つピンとこない方は右の動画をご覧あれ。
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