盛夏になれば十勝のいろんなフィールドでイブニングライズの釣りが楽しめるようになる。たとえ日中が30℃を越える真夏日でも、気温が下がる夕暮れ時になれば水生昆虫が羽化して水面を流れ始め、どこに隠れていたのか昼間はぜったいに顔を見せないような大きなマスが出てくるのだ。
河原にハンゴウソウの黄色い花が咲く頃になれば、十勝のフィールドはイブニングライズの釣りが楽しい季節だ。
もちろん、十勝なら夕暮れ時になればどんなところでも大きなマスのライズがあるというわけじゃない。春のフィールドや秋のフィールドがあるように、夏には夏の場所がある。ーーたとえ日中の気温が35℃まで上がるような真夏(十勝は寒暖の差がはげしい土地なのです)でも、豊富なエサがあること。外敵から身を守ることができる居心地のよい隠れ家があること。夏場でも適温の水があって水量がつねに安定していることーー。そんな、いくつかの条件をしっかり満たしている場所でこそ、エキサイティングなイブニングライズの釣りを楽しむことができる。
さて、十勝のフィールドは多くがヒグマなど野生動物のテリトリーだから、夕暮れのプライムタイムはちょっとやっかいだ。大ものへの煩悩にかられてけっして羽目を外しすぎないように。
おぼつかない足もとを気にしながらとっぷり日が暮れた川を渡渉したり、真っ暗になった原始の森を薮こぎをして帰るのは正直いって”おっかない”。茂みの中から威嚇らしき唸り声を耳にすることもしばしば。季節による移動はあれど、平野部の市街地を流れる川も含め、水辺に隣接する森は彼らの生活圏。例年のヒグマの出没情報や非常時の退路など、すべてにおいて勝手知ったる川でこそ、リラックスして楽しく遊べるというのが十勝のイブニングの釣りじゃないだろうか。また、装備を完璧にしておくのは森や水辺で遊ぶ人のマナーです。
夏のイブニングの釣りで楽しいのは、誰もが大好きなヒゲナガカワトビケラの羽化・流下によるライズはもちろんだけれど、ポロシリのスタッフが例年ひそかに熱〜く楽しんでいるのは比較的水深の浅い、波だった瀬の中でよく起きるヒラタカゲロウの仲間へのライズの釣り。
ライズを見つけるコツはたった一つ。「薄暮の時間帯に波だって流れる瀬の中をしっかり見ること」だけ。1日30人の釣り人がフライをプレゼントしたような、誰もがライズを待ちたくなるような、プールへの流れ込みなど定番の大場所の前にドカッと陣取らず、上流や下流に続く瀬の中をよ〜く観察してみてほしい。
凝視した場所が正解でマスがいるなら、たま〜に”ギラッ!”とフラッシングしたり、白く弾ける波頭に混ざって……かすかではあれどピシッ!と小気味よくライズしているものだ(過日モンタナのMadison Riverで同じような経験が。日中とはいえ、いとも簡単に荒瀬の中の小さなライズを見つけるガイドの能力に舌を巻いたのでした)。
こんな各種ヒラタカゲロウの瀬の釣りは、水面に浮かべるアダルトよりも、水面で羽化のために浮上中のイマージャーを模したソフトハックル・パターンやウエットフライなどをティペットに結んで、水面直下あるいは水面に絡ませて徹頭徹尾デッドドリフトするのがいい。瀬の中のマスのほうがだんぜん釣りやすいし、フライが合っていればすぐに反応があるはず。
エヘン! マスが食った瞬間にアワセをジャストミートさせるコツを披露しましょう。それは、ドライフライの釣りのように流れていくフライを「見よう」と思わないこと……だけ。フライは小さいし沈んでいるのでどのみち見えない。最高にきわどい瞬間は、マスがフライを口にした気配をその付近の景色ぜんたいから感じることに尽きる……といえばいいのだろうか。ともあれ夕暮れ時の瀬の中に大きなマスを捜すこの釣り、一度体験すればハマることうけあいの夏のイブニングの遊び方です。
マスのライズに漆黒に変わっていく森の宵闇。いろんな意味でドキドキがいっぱいのイブニングライズの釣りのサポートは、私たちローカルのガイドにお任せください。
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